さようなら、2020年

2020年も、最後の日になりました。
取引先のクライアント様、Web制作会社様、制作をお手伝いいただいているパートナー様には本年も大変お世話になりました。
依然として新型コロナが猛威を振るっている世の中ですが、来年も助け合いながらより発展していければ嬉しいです。
先ほどようやく仕事納めとなりましたので、ちょっと2020年を振り返ってみたいと思います。
2020年=新型コロナの年
2020年は新型コロナ流行により、たくさんの人が生活様式を変えざるを得ない年になりました。
外出自粛で誰とも会うことができず、気持ちが沈みがちな人も少なくないようですし、実際に有名人の悲しいニュースがいくつもありました。
飲食業などお客様と対面が必要な業種は苦境に立たされるところも多く、従来のやり方が通用しないことに戸惑いつつも、試行錯誤して乗り越えようとする姿をたくさん目にしました。
僕はもともと外出自粛のような生活をしていたため個人的にはそこまで変化はなかったのですが、やはり友人・知人などを介して知る社会の変化に不安を感じることもありました。
また仕事でも、せっかく話を頂いても予算の関係で案件が流れたり、受注に至らないということもしばしばありました。
自分にとっては試行錯誤の年
コロナ自粛が始まった3月か4月頃に、ある大手Web制作会社の社長がTwitterで以下のようなことを言っていました。
- コロナで苦境に立たされた中小・個人がオンラインに活路を見出そうとEC事業に乗り出す
- その多くは予算と時間が限られているため、実効性のある施策を打つのが難しい
- 大手Web制作会社はそれらの案件で採算を取れないため、受注できないケースも多くなるはず
平たく言えば、中小・個人がWebで成果を出すことが(これまで以上に)必要になっているが、利益が確保できないためWeb制作会社が受けられないケースが増えてくるだろうということです。
もっと言えば、Web制作会社が採算ラインの関係で積極的に取りに行けない低予算の案件が、今後増えてくるだろうというわけですね。
実は2019年の暮れから自分の仕事に対して思うところがあり、この1年は個人的にも試行錯誤の年でした。
フリーランスとしてやっていくには、当たり前ですが最低でも家族が食べていけるだけのお金を稼ぐ必要があります。
そして売上を安定させることを優先していくうちに、いつの間にか下請け案件の割合が多くなっていました。
下請け案件自体がよくないわけではないのですが、どうしてもクライアント様の顔が見えなかったり、声が直接聞けなかったりというところで実のある提案ができないとか、何よりやりがいを感じづらいということが少なからずありました。
そんな事情で少しずつクライアント様からの直案件を増やしていこうと考えていたところだったので、こうしたWeb制作業界を取り巻く変化は自分にとっては追い風なのではと考えました。
そして個人・中小向けにサービスを用意し、サイトを整え、長く放置していたTwitterも運用し始めました。
また単価の低さを理由に敬遠していたクラウドソーシングサービスも使いはじめ、これまでとは違う仕事内容に手応えを感じつつも、もう少し改善が必要だなと感じているところです。
「使えないおじさん」にならないために
とはいえ下請け案件を完全になくして、直案件100%にしようとは思っていません。
というのも、個人フリーランスで直案件100%でやっているという方と何度か仕事をしたことがあるのですが、どなたも技術的なところがかなり昔のままで止まっているなという印象だったからです。
直案件の場合、良くも悪くも自分の好きなように仕事を進められます(もちろんクライアント様の意向ありきですが)。
そのためどうしても、自分の技術や知識で出来る範囲で片付けようとしてしまい、新しいことにチャレンジする機会がなくなってしまいます。
それを長いこと繰り返すうちに、いつしか時代錯誤なものしかアウトプットできなくなってしまうのではと思います。
そうならないためには、できるだけいろいろな方と仕事をさせていただき、考え方やスキルを固定させないことが大切だと考えています。
これまでよりその割合は少なくなりますが、継続的に下請け案件を受注することで、半強制的に新しい技術や情報に触れられる環境を作れるメリットは大きいと思っています。
現在は下請け案件も継続しつつ直案件を増やし、そのうちいくつかは外注パートナーさんにお力添えいただくというような働き方になっています。
案件が重なる時期は頭が混乱することもありますが、自分が求められていることを最大限で返すという点はどの案件でも同じですので、そこを見失わないよう取り組んでいこうと思っています。
商品を変えずにユーザーの反応を変える面白さ
また直案件を増やしたことで、必然的にリサーチや設計、ヒアリングなどデザイン以外の仕事の比重が以前より大きくなりました。
その中で再確認したのは、やはり自分はデザインなどのクリエイティブの部分で喜ばれるよりも、施策がハマって喜ばれたときの方が嬉しいということです。
世の中には素晴らしい商品を持っているのに、その魅力がユーザーに十分伝わっていないというケースが少なくありません。
「自分がこだわったところ・頑張ったところ」ではなく「ユーザーの知りたいこと」という切り口から考えることで、商品はまったく変えなくても反応が変わってくるということはあります。
残念ながら百発百中とまではいきませんが、クライアント様から「手応えがあった」とご連絡をいただく度に、クライアント様とエンドユーザーの方にメリットを提供できたのだと嬉しい気持ちになります。
まとめ
新型コロナでは対面販売などが敬遠されるため、自分のような業種は比較的ダメージが少ないように思います。
しかしこれは「今回はたまたま」と考えた方がいいと思っていて、たとえばものすごく質(たち)の悪いコンピュータウイルスみたいなものが蔓延すれば、今度は我々のような職業の人が大ダメージを被るはずです。
それを無しにしても、この変化のスピードが速い社会の中では、一つの仕事に固執するのはリスクの高いと言えます。
現在の自分はほぼ100%オンラインに依存する働き方をしているため、2021年以降はオフラインの事業も模索していきたいと考えています。
いくつかアイディアはあるので、いろいろな人と関わりつつ、そのすべてにメリットを提供できるような形でビジネスにできればと思います。
ということで、2020年の終わりに取り留めもなく書いてみました。
まだまだ試行錯誤の日々ですが、お世話になっている取引先様に感謝しつつ、これからの新しい出会いに期待しつつ2021年も必死で生きていきます。