「フリーランスって割に合わない……」と思っている人に知ってほしい、そうなる原因と解消法

「朝から晩まで働いているのに売り上げが伸びない。フリーランスって全然、割に合わないな……」という悩みを抱えているフリーランスは、実はけっこう多いみたいですね。
特にフリーランスになりたての頃って、
- ものすごいボリュームの仕事を冗談みたいな料金で受けてしまった
- ディレクションがうまくできず言われるがまま修正を繰り返して疲れ果てた
みたいな経験は、誰でも一度や二度はするのではないでしょうか。
ということで今回は、「フリーランスって割に合わない……」と思っている人に知ってほしい、そうなってしまう原因とその解消法についてお伝えしていきます。
目次
フリーランスが割に合わない原因は、「付加価値ゼロ」と「自分の安売り」
「フリーランスは割に合わない」と感じてしまう原因のほとんどは、
- 付加価値がない(ちゃんと伝わっていない)
- 自分を安売りしてしまっている
というところにあります。
付加価値がない=代わりはいくらでもいる
嫌な言い方をしてしまいますが、付加価値がないということは「代わりはいくらでもいる」と思われても仕方がないということです。
そうなるとできるだけ安く買い叩こうとされますし、その結果、こちらからしたら「割に合わない」となるわけですね。
また本当は素晴らしい価値があるのに、それがちゃんと伝わっていないというケースもあります。
自動車だって、ベンツの高い安全性やブランドが認知されていなければ、「動くし安いからいいや」みたいな感じで軽自動車が選ばれることもあります。
軽には軽でいいところもあるのかもしれませんが、良さがちゃんと伝わっていなければ、ただ値段の安い方が選ばれてしまいます。
これをフリーランスに置き換えてみると、自分の付加価値を相手に十分伝えることができていなければ、「安かろう悪かろう」の相手に負けてしまうこともあり得るよ、ということです。
聞こえのいい「採算度外視」の落とし穴
「お客様のために採算度外視で頑張ります!」って聞くと、なんか誠実そうなイメージがあるかもしれません。
でも僕は、こういう人ほど信用できません。
なぜかと言うと、採算を度外視したところで増えた工数は消えないからです。
そのため、その工数は必ずほかの案件の進捗を圧迫したり、品質に影響します。
仮に休みを返上して仕事をしたとしたら、必ず集中力やモチベーションにも響いてくるでしょう。
そうなればクライアントやパートナーなど、仕事でかかわるすべての人に迷惑をかけてしまいます。
つまり、クライアントのご機嫌を取りたいという安易な考えで、割に合わない仕事ばかり増えてクオリティを落としてしまうわけですね。
これは気合でどうにかなる問題ではありませんし、言うほどクライアントのメリットにもなりませんので、はじめから口にしない方がいいでしょう。
「フリーランスは割に合わない」を解消する方法
それでは、割に合わない仕事を抱えないようにするためにはどうすればいいでしょう?
単純な話ですが、上で紹介した原因を潰せばいいわけですよね。
自分や提供するサービスの付加価値を考えてみる
まず自分自身、そして自分の提供するサービスの付加価値を考えてみましょう。
付加価値と言うといまいちピンと来ない場合は、「他にはない自分だけの売り」みたいな感じで考えてみてください。
付加価値を見つけるうえで大切な視点としてよく言われるのが、希少性と必要性です。
つまり持っている人があまりいないスキルとか、売り上げを伸ばすことができるスキルなどですね。
「数量限定」と言われるとついついほしくなるというのが希少性、「砂漠で水を売る」みたいのが必要性の付加価値という感じです。
付加価値はけっこう、自分視点で考えていると出てこないものです。
ですので、「クライアントが必要としていることで、自分の提供できるものは何だろう?」という感じで、クライアント目線で考えるようにしてみましょう。
また、Yahoo!知恵袋などで自分のサービスに関連する悩みを調べていくと、どんな人がどんなものを必要としているのかが見えてきます。
そうすると、自分では何とも思っていなかったようなことが、意外と付加価値になったりします。
他の人がしていない経験はないか?
また単純に、「他の人がしていない経験はないか?」という視点で考えてみると、付加価値が見つかることもあります。
これは、必ずしも自分のサービスと関連していなくても大丈夫です。
僕の場合だと、アフリカの世界最貧国シエラレオネに行ったとか、北海道から広島まで弾き語りで一人旅したという経験だけで、面白がって仕事を振ってくれることもありました。
「他の人がしていない」とか書きましたが、これは別に「世界で自分だけ」である必要はありません。
- 未経験からフリーランスになった
- 独学でプログラミングを身に付けた
- TOEICで900点取った
- インターハイで入賞した
とかだって、唯一人の…… というわけではないけど十分価値のあることですよね。
そういう感じで、ちょっと広い視野で他人が面白がってくれそうな自分の経験を洗い出してみましょう。
「誰にも負けないスキル」である必要はない
付加価値を見つけるというと、自分の中に「誰にも負けないスキル」を見つけようとしてしまうかもしれませんが、そんな必要はありません。
仮にもっとも優れたスキルを持っている人しか成功できないなら、極端な話ですが各業種でやっていける人は一人だけということになってしまいます。
でも実際には、そんなことありませんよね。
付加価値というのは、何かと何かを掛け合わせることで生まれることが多いです。
例えば、「Web集客を分かりやすく教えることができる」という場合。
この人は「Web集客の知識やノウハウ」と、「他人に分かりやすく教える」というスキルを掛け合わせることで付加価値を作り出しています。
しかもこの掛け合わせのすごいところは、その組み合わせがほぼ無限にあること、そしてそれによって独自性が出しやすいということです。
もしかしたらサービスとまったく関係ないスキルや経験に目を向けることで、自分にしかない付加価値を見つけ出せるかもしれません。
自分を安売りしないためのメンタル構築
次に、自分を安売りしないための方法についてお伝えしていきます。
自分を安売りしてすり減らしてしまわないためには、そのためのメンタルを作り上げるのが重要です。
フリーランスになりたての頃は、自分のスキルや経験に自信がないために、どうしても安く見積もってしまったりして割に合わない仕事を受けてしまいがちです。
しかしこれをずっと続けていれば、どこかで必ず破綻してしまいます。
とりあえず2倍の値段で見積もりを出してみる
最初期限定の方法ですが、自分が「これくらいかな?」と思った金額の2倍で見積もりを出すようにしてみてください。
これはフリーランスとして何年か活動している人が口々におすすめしている方法で、はじめのうちは何も考えずとにかく2倍で出してみる、という感じでいいかもしれません。
こう書くと「なんかぼったくってるみたいで申し訳ない……」と思うかもしれませんが、その必要はありません。
なぜなら、見積もりを出すのに慣れていないうちは、どうしても「見えない工数」というか、「必要だけど見積もりに入れ忘れている作業」が出てきてしまうからです。
その結果、当初自分が想定していたよりも遥かに多い作業を低い料金でこなすことになり、結果として「割に合わない……」となってしまう。
さらにはモチベーションもダダ下がりで、それにより品質もグダグダでクライアントに迷惑をかけてしまう、ということになるからです。
またフリーランスになりたての人は、もらった報酬から税金や経費を払うということを失念しがちです。
そのため、どう考えても足が出てしまうような料金で見積もりを出してしまうことがあります。
もちろん経験を積むうちに分かってくるわけですが、それまでは「とりあえず2倍」で見積もりを出してみましょう。
実際、それくらいでちょうどいい感じになるはずです。
タダ働きはしない
フリーランスあるあるですが、友人からの頼みやクライアントとの信頼関係のために報酬をもらわずに仕事をする、つまり「タダ働き」してしまう人がいます。
ハッキリ言って、タダ働きで信頼関係が構築できることはありません。
対価をもらって相応のサービスを提供する、この繰り返しでしか信頼関係は構築できないのです。
上の方で書いた「採算度外視」の話もそうですが、割に合わない仕事は、必ずモチベーション&品質の低下を招きます。
そうなれ仕事がただただ辛いだけのものになりますし、回りまわってクライアントにも迷惑をかけてしまいます。
またあまり言いたくはないですが、タダ働きや極端に安価な料金で仕事を依頼してくるクライアントほど、理不尽とも思えるようなクレームをつけてきたりします。
そういうクライアントと関係を継続しても不幸になるだけですので、早めに切り替えてちゃんと対価を支払ってくれるクライアントに集中した方が建設的です。
正直、「タダ働きはしない」と決意するだけで、出会うクライアントは全然違ってきます。
はじめのうちはもしかしたら勇気がいるかもしれませんが、「お金をもらうからこそ、いいクライアントと出会える」ということを覚えておいて頂ければと思います。
まとめ:大事なのは付加価値です
以上、「フリーランスって割に合わない……」と思っている人に知ってほしい、そうなる原因と解消法の話でした。
サービスに自信が持てず、ついつい安売りしてしまうのは、「自分に特別なものがない」と感じているからです。
だから自分の付加価値が見つかれば、自然と自分を安売りしなくなります。
まずは「自分の付加価値は何か?」というところから考えてみましょう。