フリーランスが使い捨てにされないための生き残り戦略

でも「できない」なんて言ったら仕事もらえなくなるし、どうしたらいいんだろう?
フリーランスで仕事を選ばずにいると、報酬の低い下請け案件ばかりになり「時給換算すると300円……」というような悲惨な状況になってしまいます。
実際フリーランスがをやめてしまう原因の大きなものとして、割の合わない仕事を押し付けられて心身ともに疲弊した果てに使い捨てにされてしまうということがあります。
ということで今回は、フリーランスが使い捨てにされないための生き残り戦略というテーマでお伝えしていきたいと思います。
ちなみにWeb系フリーランスを対象にして話を進めますが、アレンジ次第で他の業種でも応用できるはずです。
目次
フリーランスが使い捨てにされないための生き残り戦略
フリーランスが使い捨てにされることを回避するには、以下の3つの戦略が大切です。
- 複数のクライアントと取引してリスク分散
- 請負制作以外の収益源を確保する
- 自分で商品・サービスを販売する
複数のクライアントと取引してリスク分散
フリーランスが弱い立場に追いやられる主な原因は、クライアントを少数に固定してしまい、そこからの仕事を切られると生活できなくなるリスクを取ってしまうからです。
よく聞くのは、独立前に在籍していた会社から仕事を振ってもらい専属のデザイナーとして働いていたが、関係がこじれて仕事を発注してもらえなくなった、という話です。
そうならないためにも、常時3社以上のクライアントと取引をし、できるだけ多くのフリーランス仲間とのつながりを作りましょう。
3社以上のクライアントと継続して仕事ができれば、もしそのうちのどこかに仕事を打ち切られても致命傷を負わずに済みます。
また、フリーランスの案件獲得経路の6割以上は「知人の紹介」という話もあります。
フリーランス仲間が忙しくて手が回らないときに仕事を振ってもらう、逆に自分が忙しいときに助けてもらうというような関係が築ければ理想的です。
- 「専属デザイナー」の落とし穴
- 僕自身フリーランスになって2年目くらいの頃、同年代のフリーランス営業マンと意気投合して専属のデザイナーみたいな形で働くようになりました。
しかし1年も過ぎた頃、その人が社会人サークル(?)みたいなのにハマり言動がおかしくなり、納期が迫っているのになかなか連絡が取れないというようなことが起こるようになりました。
しまいには受注が完全にストップしてしまい、そのとき他に付き合いのあるクライアントもいなかったのでかなり焦りました。
今となっては笑い話ですが、当時は「一緒に頑張って会社にしましょう!」とか言ってやっていたので精神的にかなりキツかったです。
そういう経験から言えるのは、気の合う仲間と出会えるのは素晴らしいことですが、その関係だけに集中するのは危険だということです。
請負制作以外の収益源を確保する
フリーランスとは基本的に、会社や組織に属さず仕事を請け負う個人のことを言います。
ですが、請負案件は単発で終わることが多く、そればかりでは常に不安が付きまといます。
そういう不安があると、ついつい不利な条件で仕事を引き受けてしまい、疲れ果てたときに使い捨てにされるというリスクがあります。
それを回避するため、請負制作以外の収益源を確保することを考えましょう。
最近ではアフィリエイトやGoogleアドセンスなど、Webメディアを収益化する方法も一般的になっています。
アフィリエイトで月5,000円以上稼いでいるのは全体の5%なんて話もあり、一般的にWebメディアの収益化は難しいイメージがあるかもしれません。
でもそれは、Web制作もSEOの分からない素人も含めた数字です。
少なくともWeb制作で報酬を得ることができるレベルのスキルがあるのなら、大きなアドバンテージがあると考えて大丈夫です。
また、「Webを収益化できた」という経験とスキル、それ自体が価値になります。
Web制作を業者に依頼する会社の目的は、基本的に「収益」です。
その目的達成に直接活きてくるスキルは、クライアントからしても魅力的です。
自分で商品・サービスを販売する
上で、アフィリエイトなどにより自分のWebメディアを収益化することをおすすめしました。
しかしアフィリエイトで発生する報酬は紹介料であり、どうしても単価は高くありません。
また広告を出稿している企業がアフィリエイトの利用をやめてしまえば、どんなに収益が出ていてもその時点でゼロになってしまいます。
またGoogleアドセンスも、規約違反などの理由である日突然アカウントを停止されるリスクもゼロではありません。
そういうデメリットを回避するためにも、自分で商品・サービスを開発して販売するという方法も検討してみましょう。
自分の商品であれば、価格も自由に決められますし、突然販売停止になることもありません。
最近ではAmazonのKindleストアやnoteなどで電子書籍を手軽に出版できますし、有料のメール講座という形で自分の知識を商品化することも可能です。
Web制作って突き詰めて言えば、「誰かの商品・サービスを売るための仕組みを作る」という仕事です。
その「誰かの」を「自分の」にするだけと考えれば、だいぶ心理的ハードルも下がるのではないでしょうか。
フリーランスの稼ぎ方は一つじゃない
請負制作だけで収益を得ようと思えば、高い制作スキルがあるほど有利になるでしょう。
しかしWeb系フリーランスが制作スキルを向上させようと思えば、それこそキリがありません。
そして需要なのは、現在のフリーランスの稼ぎ方は請負制作だけではないということです。
キャリアが長くなって思考が凝り固まってしまうと、「スキルを提供して報酬をもらうこと」に固執してしまう傾向があります。
でもそうやって自分の選択肢を狭くしてしまうことに、メリットはありません。
先ほども言ったように、フリーランスとは「会社や組織に属さず仕事を請け負う個人」のことを指します。
しかし昨今のフリーランスブームにより、その定義自体が変わりつつあり、現在はさらに広く「個人で稼ぐ人」というような意味合いで「フリーランス」という言葉が使わることが多くなりました。
個人で稼ぐことを考えれば、請負制作は稼ぎ方の一つに過ぎず、それこそアイディア次第でいくつも収益源を確保することが可能になってきます。
- 自分がほしいものを作れる
- 自分の商品をWebで売るための仕組みが構築できる
ひとまずはそこを目安に、Web制作のスキルを身に付けることをおすすめします。
その後は自分の適性を見て、さらに制作スキルを磨いて現場で活躍するのか、もしくは自分のビジネスを持つのか決めてもいいのではと思います。
フリーランスが使い捨てにされるのは、代わりがたくさんいるから
制作スキルだけでやっていけるフリーランスというのは、正直なところ一握りです。
人を相手に仕事をする以上コミュニケーションは不可欠ですし、フリーランスがそこを疎かにしてクライアントとの信頼関係は深まっていきません。
「フリーランスはスキル次第で大きく稼げる」とは言われますが、それは単純に制作にかかわるスキルだけではなく、コミュニケーション能力や交渉力、提案力なども含めたスキルです。
そこが欠けているとクライアントからすればいつまでも「大勢の中の一人」ですし、言い方は悪いですが代わりはいくらでもいるわけです。
またクリエイティブ系フリーランスにありがちですが、クライアントのほしいものとフリーランスの作りたいものに乖離がある場合も、いい関係が築けず使い捨てにされてしまうことがあります。
クライアントがほしいものは、基本的に「売上アップ」です。
それに対してフリーランスが自分の個性を表現するものとか、芸術性を重視した制作にこだわりすぎると、クライアントは「ほしいものを作ってくれない」と感じ、期待することがなくなります。
その結果、「この人じゃなくていいや」となってしまうのです。
「キレイなデザイン」だけでは生き残れない
Webデザインのリンク集、みたいなサイトがたくさんありますよね。
どれでもいいのでそれを少し遡って見てみてください。
そうすると、リンク切れになっているものが目に付くと思います。
もちろん公開期間の決まっているキャンペーンサイトなどもありますが、そうでないものは閉鎖してしまった、つまりは収益化に失敗したサイトだということです。
見本として紹介されるようなキレイなデザインができても、それが収益化できるかとなると別の話です。
デザイナーにとっては残念な話ではありますが、キレイなデザインはメリットにはなりますが、収益化のための不可欠な要素ではありません。
それよりも、マーケティング的な思考やノウハウがデザインに落とし込まれているかの方が、ずっと重要です。
そしてそれを身に付けるには、自分でWebメディアを立ち上げて収益化するという経験が何より効果的です。
コツは、本などを読んで勉強するだけでなく、とりあえずでも実践してみることです。
Webで売るには、セールスライティングなどいろんなスキルが必要になってきますし、それができているかいないかで売り上げに大きな差が出てくるのも事実です。
しかしまず実践してみることの最大のメリットは、多少アラがあっても小さな成果は出るということ。
そしてその結果を分析・改善することで、本で勉強するだけでは得られない「生」の経験が得られることです。
これからの時代、デザイナーでもエンジニアでも、マーケティング思考は不可欠になってきます。
それを身に付けて自分の制作物に落とし込むことで、使い捨てにされずにフリーランスとして生き残ることができるでしょう。